歳を重ねると「自分がいなくなったときのためにも、身の回りを整理しておこう」と考える人が増えてくるかと思います。今後の人生をどのように過ごすか、年配の人だけでなく若い世代でも考えるようになってきました。今は早いうちから終活を取り入れる人が増えています。
そこで、終活の一環として老年整理についてご紹介します。
老前整理とは
老前整理とは、インテリアデザイナーの坂岡洋子さんの著書「老前整理 捨てれば心も暮らしも軽くなる」で紹介されている不要な物を整理する考え方のことです。
「生前整理」と「遺品整理」と似ている点はありますが、細かくいうと少し意味が異なります。生前整理は生きている間に本人のみが行なう整理です。また、遺品整理は、亡くなった後に遺族が整理します。これに対して老前整理は、今後の生活を考えながら自分自身や家族が身の回りを整理することを指します。歳を重ねる前に生活しやすいよう身の回りを整理する目的があります。
老前整理では、主に不用品の処分や遺言書の作成を行ないます。
老前整理の方法
老前整理は自分に必要な物以外は処分する作業です。たとえば、余っている食器類や使わなくなった衣類、自宅に置いたままにしている貴金属・ブランド品の買取をしてもらって処分します。
老前整理を開始する前に、捨てる基準を決めておくと作業が捗ります。「1年以上使っていない物は処分する」と前もって決めておくと、身の回りが整理しやすくなります。なかには捨てることが難しいと思える物もあるでしょう。この場合は期限を決めて大きめの段ボールに入れておき、ふだんから目にする場所へ置いてみてください。
後は、処分する猶予期間を決めます。もし、期間内に使わない物なら処分する方針を取りましょう。思い入れがある場合は、写真におさめ記録に残す方法も一つの手です。知人や友人、家族が必要な物なら譲ってもよいですし、買取を依頼してお金に換えることも良いでしょう。
自分にとって必要な物だけを残し、それ以外は処分する仕組みを作りましょう。
セカンドライフを楽しめる
部屋が片付くと、居心地の良い部屋になります。シニア世代は自宅で過ごす機会が増えるため、部屋を綺麗にしておくと住み心地がより良くなります。後は、自由な時間をどう過ごすかを決めます。新しい趣味をはじめてセカンドライフを楽しむのも良いでしょう。
こまめに老前整理をしておくことで、「万が一」が起きても遺族の負担が軽減されるのもメリットの1つです。老前整理は自分だけでなく、身の回りにも良い影響を与える大切な作業といえます。