てんかんとは?

てんかんは、脳の神経細胞の一部が突然うまく働かなくなって脳からの信号が正しく体に送れなくなることによって意識がなくなる、手足がつっぱる、手足が痙攣を起こすなどの症状が出る病気です。

赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年齢層で起こる病気で、1,000人に5~8人が発症するといわれ、国内ではてんかんの患者さんは約60万~100万人と推定されており、決して珍しい病気ではありません。
誰もがかかるリスクがあります。

てんかんの発作は突然起こります。
脳のどの部分で神経細胞がうまく働かなくなるかによって、発作の症状はさまざまです。
しかし発作は一過性で、発作が起こっていなときは、通常とまったく変わらなく過ごせます。

てんかんの原因はさまざまで、脳腫瘍や頭のケガの後遺症など、原因がはっきりとわかってるものを症候性てんかんと呼び、原因が不明のものは特発性てんかと呼ばれています。

これまでは何ともなかったのに、50歳以降にてんかんの発作が起こることも珍しくありません。
高齢になってから起こるてんかんは、高齢発症てんかんと呼ばれています。
高齢発症てんかんの原因で最も多いのが、脳卒中です。
脳卒中になると脳への血流が滞って、脳に栄養や酸素が送られなくなるため、脳の神経細胞も損傷を受けます。
また、お年寄りは足腰が弱く転びやすいので、転んで頭を打つなどしてケガをした後遺症でてんかんになる人が多いのです。
特にシニア以降は、ケガが原因のてんかんが増えてます。
このほかアルツハイマーや脳腫瘍などが原因でてんかんが起こることも少なくありません。

てんかんの治療法

治療は抗てんかん薬を飲むことで、発作が抑えられます。
きちんと薬を飲んでいると、ほとんど発作は起こりません。
しかし一部には、抗てんかん薬を飲んでもあまり効果がない人もいます。
このような人の病気を、難治性てんかんといいます。
このような場合は、手術による外科治療が行われることもあります。

いずれにしてもてんかんは長期にわたる治療が必要です。
発作を起こしたことに本人がきづいていないことも多いので、家族など周囲の人が発作の兆候を見逃さないように注意してあげることも大切です。
熱湯を持っているときや、信号をわたっているとき、自動車を運転してるときなどに発作が起こったらとても危険です。
このような危険が伴うので、てんてんの患者さんは常に不安に感じています。
精神的なケアも欠かせません。

高齢発症てんかんの予防法

シニア以降の人がてんかんにならないようにするためには、脳卒中にならないように健康的な生活を送り、高血圧に注意することです。
そして転倒には十分に注意しましょう。
認知症を予防するために、積極的に人と交流するよう心がけましょう。