海外移住をするための条件

長年勤務してきた会社を退社したあとには、のんびり穏やかな気候の土地で第二の人生を始めたいと思う人もいることでしょう。

シニア世代の海外移住は以前より多くの人が利用してきたことで、日本よりも物価の安い海外で大きな家を購入して住むという夢のような生活も実現されてきました。

ですが海外移住は旅行などと違っていくつかの条件がなければ実現することがそもそもできません。

また面倒な手続きをいろいろとクリアしてやっと念願の国へ移住をしたものの、想像していた生活とは全く違った不自由があり短期間で結局日本に戻ってしまったなんてこともよくあります。

海外移住をするときには、まず事前にしっかりとその国と生活の様子を調べておくとともに、あとからやっぱりやめればよかったと後悔がしないように準備をしておくことが大切になります。

海外移住をするためにまず必要なのはその国での「永住権」の獲得です。

永住権を獲得するための条件はそれぞれの国によって異なっており、資産状況や過去の犯罪歴など総合的に判断がされます。

また仮に条件を満たしていても、実際の審査で不可となることもあるのでかなり慎重に申請することが求められます。

リタイアメント査証制度のある国

リタイアメント査証は、年金受給者など日本国内の退職者を対象にした長期滞在ができるようにする制度のことです。

これは普通の現役世代の永住権獲得よりもかなり条件が緩和されており、提携のある42カ国であれば比較的自由に居住先を選ぶことができます。

現在実施をしている代表的な国としては、アジアであればタイ、フィリピン、マレーシア、台湾といたところで、ヨーロッパでもイタリアやスペイン、英国といった主要国があります。

各国それぞれ条件は異なりますが、やはり移住先として人気が高いのは物価が安く比較的治安の安定している東南アジア各国のようです。

そうした国々では日本からの居住者を迎え入れるためのビジネスが確立しており、日本にいるのと同じかそれ以上の便利な高齢者向けサービスを選ぶことができたりします。

ただ一方でリタイアメント居住者をねらった詐欺事件なども報告されているので、あくまでもサービスや不動産購入についてはしっかり自分の目で見て考えるようにしましょう。

リタイアメント後は何もしないというのがルール

リタイアメント査証の受入国の中には、シニア世代に限定せず一定の資産がある人なら誰でも受け入れる体制をとっているところもあります。

これは日本のように65歳一斉定年という概念がなく、一生過ごすことができる資産ができたらさっさと仕事をやめてのんびり過ごしたいという意識が社会的に共有されているためです。

日本からリタイアメント査証を利用して移住をした人の中には、そこにある生活があまりにものんびりしすぎていることに逆に違和感を覚えて何か仕事を自分から探そうとしてしまうこともあるといいます。

海外移住をするときには、仕事や何らかの活動をやり残してから行うことは絶対にNGです。

何もしないために移住をするのだということを念頭に置いて、やり残しのないよう日本での生活を総括してから行いましょう。