在宅ケアにおける最新技術の導入

今日本で最も最先端の技術が投入されているのは在宅介護の分野といってもよいでしょう。

高齢者人口の増加とともに、日常的に介護や看護ケアが必要となった高齢者も急増しており、既に病棟や介護施設は長い順番待ちの列が出来上がってしまっています。

そこで国や自治体はこれからの介護のありかたとして、自宅で介護や看護を受けることができる在宅介護を推奨しておりそのための技術やサービスを次々に提供しはじめています。

在宅介護・看護ケアではホームヘルパーが巡回をして生活の世話をするだけでなく、高齢者の安否確認やバイタルチェックなどを行っていきます。

足腰が弱いなどなかなか自力で病院へ通院することができない高齢者のために、健康状態を調べてその内容に応じて回診をするといった方法も取られており、今後はそうした高齢者をつなぐネットワーク整備には相当に技術や人材が投入されていくことになるでしょう。

在宅ケアのためのネットワーク・システム

在宅ケアに特化したネットワーク・システムも既に多くの場所で導入が進められています。

その中の一つがソネット株式会社が提供する「bmic-ZR」というシステムで、これは在宅ケア業務を効率化するためのネットワーク・システム全般を担います。

2015年4月28日から本格的な導入が始まっており、在宅ケアを受ける高齢者の情報を介護事業所や医療関連施設へ随時伝達し、チーム体制でケアをすることができるようになっています。

具体的にはケアが必要な患者のもとを訪れて計測をしたデータを記録して閲覧できるようにしたり、個人個人での治療履歴や生活情報なども共有できるようになっています。

介護と看護の業務においては非常に多くの人が関わり、また職種人材の流動も激しいことから人力に依存したシステム運営では限界があるところでした。

そこでこうした情報共有を多くの場所できるようにすることで、限られた時間の中でどういったケアを行っていくかを業界内だけでなく全体で把握できるようになります。

また現場で関わる人からの意見をもとに在宅ケアのためのフローを作成したり、効果を分析していったりすることができます。

スマートフォンやタブレットによる技術進化

在宅介護におけるネットワーク・システムが大きく発展したのはスマートフォンやタブレット端末の普及が大きく関係しています。

タブレットやスマートフォンはラップトップよりもずっと持ち歩きが簡単で入力や閲覧も直感的に行うことができます。

そのため実際に患者のもとを訪れた現場の職員が内容を投稿することですぐにケアチーム内で情報の共有ができ、それがリアルタイムでの対応を可能にしていきます。

さらにケア関係者だけでなく遠方の家族にもメッセージが伝えられたりといったことにもこのシステムは用いられており、今後もより一層の活躍が期待されています。