自分の葬儀を考える

終活という言葉を知っていますか?

「終活」とは高齢化社会を迎えた現代において高齢者一人ひとりがやっておくべき準備活動のことです。

長い人生では自己名義の土地や建物といった不動産や、部屋の中にぎっしりと詰まった荷物などができてしまいます。

もし万が一自分が突然に亡くなったとしたらそうした残された財産やモノはどうなってしまうでしょうか?

終活とはいつか迎えるだろう人生の終わりへ心の準備をするとともに、残された遺族のために身辺整理を先にやっておくという活動全般のことを言います。

生きているうちに死ぬことを考えるのは不吉なようですが、逆にいつ亡くなっても残された人が困らないようにしておくことで、生きている時間を心置きなく充実して過ごすことができるというメリットがあります。

荷物や財産の整理の他にも、葬儀はどういった形でどこに依頼をするかや、お墓はどこに入るかといったことも先に自分の意思で決めることができるのであとで遺族たちがもめることがなくなります。

すでに親戚や配偶者が先に亡くなっているという方などは、人一人が亡くなったあとの手続きの面倒さは十分に承知していることと思います。

自分の葬儀について考えてみる

終活を実際に行う人たちが意外にこだわりを見せるのが自分の葬儀についてです。

同じ冠婚葬祭の行事であっても、結婚式などのお祝い事の場合には事前にしっかりと計画を立ててどこでどういった演出を行うかということを決めることができます。

予算などについてもしっかりと事前に考え、いくつかの会場を比較して収支もつけやすいようにすることでしょう。

しかし人の死の場合は事前に予測をすることができませんから、亡くなったその日のうちに葬儀の手配をしてほとんど比較もなしにすぐに準備にかかります。

そこであらかじめ終活をしておくことで、いざというときにどこにどういったプランで申し込みをするかを比較して選ぶことができるので、突然のことに慌ててバタバタすることなく電話一本で手配に入ることができます。

慌てて半日~1日で段取りや告知をすることもないので、連絡漏れや手配忘れをすることもなくなります。

また自分で自分の葬儀をプロデュースできることで、宗教の宗派だけでなく演出なども決められます。

生前のうちから申し込みをしたりプランを決めたりすることができる企業はまだあまり多くありませんが、中には専門に受付をして実績のある企業も見られるのでまずはそうしたところで気軽に相談をしてみるのがおすすめです。

エンディングノートを作ってみましょう

終活をどう始めてよいかわからないという人に最初に試してもらいたいのが「エンディングノート」の作成です。

エンディングノートとは、自分が亡くなったあとの申し送り事項を全てまとめた一冊のノートのことで、自分自身の出生や親戚関係のことといった情報の他、持っている財産や入っている保険、墓についての注意などを記載していきます。

他にも飼っているペットの処遇についてや、亡くなったあとにそのことを伝えて欲しい友人・知人のリスト、形見分けについてといったことも自由に書き込みができます。

亡くなるまでいかなくとも、事故や病気で意識をなくしてしまった場合の時にも備えることができるのでさまざまな事態を想定して作成し、その存在を近い親族に伝えておくようにしましょう。

エンディングノートのひな形はライフプランについての書籍やWebサイトからダウンロードができます。