高齢者にこそ進めたい豚肉

高齢になってくると若いときほど脂っぽいものを食べたいという気持ちがなくなってくるため、毎日の食事で肉類を食べ機会が減ってきます。

高齢者は若い時期に比べて体全体の代謝力が落ちてしまうため、肉類のような高カロリーの食品を食べ過ぎると肥満体質になりやすくなります。

ですがだからといって全く肉を食べない生活にしたらよいかというと決してそういうわけではなく、高齢者だからこその肉類の摂取も時に必要になってきます。

特に熱い夏の時期などには高齢者はただ生活をしているだけで体力を大きく消耗してしまい、そこから免疫力の低下や病気を誘発しやすくなります。

夏場の夏バテ対策に豚肉は推奨されており、普段からの食事に適量の肉を食べることで健康増進の効果があることが言われています。

高齢者と同居をされている方など食事を担当される場合には、食べやすい豚肉を使ったレシピをいくつか覚えておくとよいでしょう。

豚肉を食べることで得られる効果

豚肉が高齢者に推奨されている大きな理由は、人の体の疲労回復に効果が高いビタミンB1が多く含まれているからです。

また全体的に栄養価が高く、少量でも摂取をすることで全身にエネルギーを生み出すもとになってくれます。

現在は長野県に抜かれてしまいましたが、数年前まで日本で最も長寿県として知られていた沖縄県においては肉類の中でも最も好まれていたのは豚肉で、高齢者もかなり頻繁に豚料理を食べていたことが注目されていました。

豚肉を継続的に食べることで良質のタンパク質が体内に摂取され、体の細胞の入れ替わりがされやすくなり、その結果として脳卒中を予防したり体内の免疫力・抵抗力を高める効果が期待できます。

更に現在社会問題として広く扱われている認知症についても、この豚肉を食べることが抑制につながるという研究がありより多くの高齢者に日常的に摂取することが推奨されます。

同じ豚肉の中でも特に栄養価が高いとされているのはヒレやモモ肉となっているので、食材を選ぶときにはそうした肉を選ぶようにしましょう。

高齢者でも食べやすい豚肉のレシピ

高齢者向けの豚肉レシピはいろいろありますが、人気が高いものとして「生姜焼き」があります。

豚の生姜焼きは高齢者だけでなく広い年代で好物としてあげられる人気のメニューですが、高齢者向けとして出す場合にはふだんよりもちょっと丁寧に肉を柔らかくする工夫をすることで美味しく食べることができます。

肉を柔らかく仕上げるコツとしては、まず丁寧に筋切りをしておくということと、焼く時には冷蔵庫から出してすぐに調理するのではなく先に軽く塩コショウで下味をつけて室温に戻してから行うということがポイントです。

またいきなり高温で焼くのではなく最初は中火で火を通すようにするというのも肉を柔らかくするコツです。

生姜焼きが便利なのは、ゆでたり煮たりする場合と違って調理の過程で大事なビタミンB1が外に流れ出ていかないということです。

ビタミンB1は水溶性であるため、どうしても水を使った調理法では大切な栄養分のほとんどが流れていってしまいます。

生姜焼きの他にも味噌だれを使ったり、ケチャップを使ったりする方法がありますが、いずれもできるだけ焼く、揚げる、炒めるという方法をとるようにしてください。