脳卒中とは?
脳卒中とは脳の血管に何らかの障害が起こり脳に酸素や栄養が送られなくなって脳細胞が死んでしまう病気です。
人間の生命活動を司る非常に重要な器官である脳の細胞が死んでしまうのですから、死亡率が高く、回復をしても後遺症が残ることが多いため気をつけなければいけません。
脳卒中は主に脳の血管が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破裂して出血する脳出血の2つのタイプに分かれます。
脳梗塞は、脳の血管が詰まって血流が滞り、脳に栄養と酸素が届かなくなって脳の細胞が死んでしまう病気です。
脳出血は脳を走る動脈が破れてそこから出血し、神経細胞が死んでしまう病気です。
脳出血の病気では、くも膜下出血がよく知られています。
脳はくも膜という膜に覆われていますが、脳の表面を走る動脈が破れてそこから出血し、くも膜と脳の間に血が溢れ出ます。
この血が脳を圧迫し、脳細胞を破壊する病気です。
一般的な脳出血や脳梗塞は脳のなかで起こりますが、くも膜下出血は脳の外側で起こるという特徴があります。
脳卒中データバンクの調査によると、脳卒中のうち最も多いのが脳梗塞で76%、次に脳出血が18.5%、そして、くも膜下出血が5.6%となっています。
脳卒中の症状はめまいがする、ものがダブってみえる、うまくしゃべれない、ろれつがまわらない、手や足がしびれる、手や足が動かない、まっすぐに歩けないなどの症状が起こります。
脳卒中は死に至ることの多い病気ですし、早めに治療を受けないとたとえ命が助かっても、寝たきりになったり半身が麻痺するなどの重い後遺症が残るケースが少なくありません。
脳卒中が疑われる症状が現れたら、一刻も早く救急車を呼びましょう。
脳卒中を予防する方法は?
脳卒中を予防するためには、生活習慣病に気をつけること、高血圧や高脂血症、心臓病、糖尿病など脳卒中になりやすい病気に気をつけることが大切です。
脳卒中は加齢によって発症率が高くなりますが、老化だけが原因ではありません。
脳卒中を起こしやすい病気にかかっている人が発症する確率が高いのです。
特に高血圧の人は脳梗塞の発症リスクが高くなります。
血圧が高い人は、塩分を極力取らないようにする、規則正しい生活を送る、肥満にならないように適度な運動を習慣づける、タバコを吸っている人は禁煙し、お酒もなるべく飲まないといった生活習慣の見直しが何よりも重要です。
そして、降圧剤を飲んでいる場合は、血圧が下がったからと行って自己判断で薬の服用を中止しないようにしてください。
服用をやめると血圧が高くなります。
降圧剤は飲み続けることが大切です。
たとえ高血圧でなくても、なるべくストレスをためないようにし、塩分のとりすぎにも注意しましょう。
そして、40歳をすぎたら定期的に脳ドックを受診して、脳の病気の早期発見にも努めましょう。