肺炎とは?

肺炎とは細菌やウイルスなどの病原体が肺に入り、それに感染して肺が炎症を起こす病気です。
風邪やインフルエンザにかかると、風邪のウイルスやインフルエンザウイルスが気管を傷つけてしまうので、病原体を体の外に追い出すことができず、肺にまで侵入させてしまうので肺炎にかかりやすくなります。

また、高齢者に特に多いのが、誤嚥性肺炎です。
誤嚥は食事中以外にも、眠っているときにも起こります。
睡眠中に知らないうちに唾液が気管に入ったり、胃液が逆流して気管に入ったりして肺炎を起こすことがあるのです。
誤嚥性肺炎は再発しやすく、何度も繰り返すと薬が効かなくなることもあります。
特に酔っ払って寝る、睡眠薬を飲んでる人、神経や筋肉の病気がある人、口やのどのがんで手術や放射線治療の経験がある人、寝たきりの人などは、誤嚥性肺炎を起こしやすいので注意が必要です。

肺炎の主な症状は発熱、せき、胸の痛み、痰、息苦しさなどかぜの症状と似ています。
一般的には38度以上の高熱が出ますが、高齢になるとこれらの症状が出ないケースが多いので特に注意が必要です。
高齢の場合は何だか元気がない、食欲がない、意識がぼんやりしている、呼吸や脈拍が早いといった症状がでると、肺炎の疑いが濃厚です。
お医者さんに診てもらいましょう。
抵抗力が弱い高齢者が肺炎になりやすく、肺炎が重症化して死亡する確率も高くなっています。
がん、心疾患に続き、日本人の死因の3位となっているので油断できない病気です。
風邪の症状とよく似ていますが、風邪かなと思って放っておくと症状が進んでしまいます。

肺炎の治療法

肺炎はレントゲンやCTスキャン、血液検査や嚥下機能の検査などで診断を行います。
治療は病原体を特定し、それに合わせた抗菌薬を処方する薬物治療が行われます。

また、自分で痰をうまく吐き出せない場合は、チューブで痰を吸引したり、重症の場合は気管支鏡を使った吸引も行ったりします。
また、呼吸困難が続く場合は、人工呼吸器も使われます。
治療と同時に呼吸や身体のリハビリも重要な治療です。

肺炎の予防法

肺炎は細菌による感染症です。
空気中にいる肺炎球菌の感染を予防するためのワクチンがあります。
1度予防接種をすると5年以上は効果があるといわれています。
特に65歳以上になったらワクチンを接種しておくと安心です。

このほかにも人のくしゃみや接触などで感染することもあるので、外出後は手洗いとうがをいする習慣をつけましょう。
また、外出するときはマスクを着用するなど感染予防を徹底することも大切です。
かぜやインフルエンザで肺炎を起こさないように、これらの予防接種も受けておきましょう。

誤嚥性肺炎を予防するためには、食事のときに間違って気管に入らないように注意して食べることが大切です。
そして口腔内の細菌を減らすために、食後と寝る前の歯磨きをていねいに行いましょう。