糖尿病とは?

糖尿病は一口で言うと、血糖値が高くなる病気です。
血糖値とは、血液の中の糖分の濃度を表す数値で、健康な人は空腹時の血糖値は80~110mg/dL程度です。
食事をとって血液中の糖分が増えた場合でも140mg/dL程度までしか上がりません。

しかし糖尿病の人は、140mg/dL以上の高い数値になり、このような状態を高血糖と呼んでいます。
そして、この高血糖の状態が続くのが糖尿病なのです。

糖尿病の患者さんの殆どが、初期のうちは自覚症状がありません。
しかし症状が進んでいくと、頻繁におしっこに行きたくなる、尿の量が増える、のどが渇く、食べているのに痩せてきた、すぐに疲れる、体がだるいといった自覚症状が出てきます。
このような症状が出たら、病状がかなり進行しています。
すぐにお医者さんで診てもらいましょう。

放っておくと、さまざまな合併症を引き起こしてしまいます。
主な合併症では、失明の危険がある糖尿病網膜症、透析を受ける必要がある糖尿病腎症、手足のしびれをはじめ全身にさまざまな神経障害が出る糖尿病神経障害などがあり、心筋梗塞や脳卒中なども起こしやすくなります。

糖尿病にかかっている患者さんは多く、厚生労働省の調査によると、2015年に糖尿病で死亡した人は、全国で950万人もいると報告されています。
また、成人の失明する原因の第2位が糖尿病網膜症であり、血液透析が必要となる原因の第1位は糖尿病腎症です。
糖尿病になると心筋梗塞や狭心症になるリスクは3~4倍、脳卒中のリスクは3倍に跳ね上がります。
とても怖い病気なので、このような合併症を防ぐためにも糖尿病は早期発見、早期治療が大切です。

糖尿病の予防法と治療法

糖尿病の予防や治療は、血糖値が高くならないように気をつけることと、高血糖になりにくい体質を作ることです。

血糖値が高くならないように食べ過ぎたり、飲みすぎたりしないように気をつけましょう。
血糖値は食べ物や飲み物が消化吸収され、それがブドウ糖という糖になって血液に入り、濃度が上がります。
ですから糖尿病にならないためには食事を改善し、栄養バランスがとれた食習慣が第一ですし、治療も食事療法が取り入れられます。

高血糖になりにくい体質を作るということは、血糖をエネルギーとして消耗できる体を作ることです。
血糖は人が動くためのエネルギーとして利用されます。
血糖がエネルギー活用されるためには、インスリンと呼ばれるホルモンがそれをコントロールする必要があります。
しかし太っている人、特に内臓脂肪型肥満の人は、インスリンが分泌されにくくなるので、血糖値が高くなりやすいのです。
インスリンを活性化させるためには、太らないように気をつけ、ウォーキングや体操、筋肉トレーニングなど、積極的に体を動かすことが大切です。

糖尿病の治療は食事療法と運動療法に加え、薬によってインスリンの量を補うなどの薬物治療が行われます。