夕焼け

老人性うつ病とは?

うつ病になるとものごとに興味がわかなくなる、何かをしようという意欲がなくなる、気分がふさぐなどの症状が起こります。
症状が悪化すると、ふだん通りの日常生活が送れなくなり、最悪の場合は自殺をしてしまうこともあるので、注意が必要です。

日常生活ではちょっとしたケンカなどから心が落ち込んで、気分が鬱々となることはよくあります。
しかしこのような状態は、時間が経ったり、何か楽しいことがあるなどのきっかけで、すぐにもとに戻ります。
しかしうつ病になると、鬱々とした気分が晴れることがなく、いつも不安を感じたり、イライラしたりして、精神的にとてもつらい状態が続きます。
何をするのもおっくうで、死んだ方がいいと考えることもあるのです。

ほかの年代に比べて発症率が高い老人性うつ病

うつ病は、子どもや成人などさまざまな年代で起こりうる病気ですが、特に高齢者がかかる老人性うつ病は、ほかの年代に比べて発症率が高いのが特徴です。
なぜなのでしょうか。
幾つかの原因が考えられますが、その一つとして体調の衰えや変化が挙げられます。

中年期以降は病気にかかりやすくなりますし、病気が慢性化することも少なくありません。
筋力も衰えますし、若い頃に比べて疲れやすく、疲労回復にも時間がかかります。
このような体調の変化は精神にもダメージを与えます。
このような状態が引き金となってうつ病を発することが多いといわれています。
また、脳卒中などの病気が原因でうつ病を併発することもあります。

このほかにも、定年退職や身近な人の死に遭遇する、大病をわずらうなど、これまで拠り所としていた大切なものを失ったり、老いを感じたりする体験が原因となる場合もあります。
シニア以降は、うつ病になるリスクが高まることを頭に入れておきましょう。

治療法と予防法

老人性うつ病になると、やる気が起こらなくなるので一日中ぼんやりしているなど、認知症と同じような症状が出ます。
認知症だと思っていたら、実はうつ病だったという例は珍しいことではありません。
なんだかボーッとする、何をするのも億劫、気分が塞ぐなどの症状があれば、心療内科や精神科を受診しましょう。
しかし精神科などに行くのをいやがる人もいますから、そのような場合はまずはかかりつけのお医者さんに相談することをおすすめします。
うつ病の治療では、気持ちが落ち着いて気分が良くなる「抗うつ薬」が処方されます。
処方された薬を、飲んでいれば症状は改善されます。

老人性うつ病にならないためには、積極的に何事にもチャレンジすること、体を鍛えるためにウォーキングなどの運動をすることなどが大切です。
定年退職をしたら家にいる時間が増えますが、意識して外出しましょう。
ボランティア活動や習い事、新しい仕事をみつけるなど、積極的に外に出て人と接するよう心がけてください。